大晦日の奇跡




  
平成18年12月31日の大晦日、今年最後の釣行をスキッド艇でさせてもらうことになった。狙う魚はキンメダイ。同行者は岡田さん。片舷に3本の竿を入れて望む。私は真ん中の釣り座で楽しませてもらうことになった。しばらくやるが、アコウやウケクチメバル、トウジン、ユメカサゴばかりで本命は渋い。   朝方ドタバタしていた海が午後になり、静まった。風は止み、船の舳先が定まらず、オマツリが起こるようになった。そろそろ帰らないといけない時間がきたようだ。スキッド船長が最後の巻上をはじめる。そしてラインが残り300mくらいになった時、突然竿が踊りはじめた。深場では意外にこんなことは珍しくない。このとき3人ともエチオピアかバラムツかと軽く考えていた。

 
その後、獲物が船の後ろに走り、海面をジャンプした。スキッド船長と岡田さんが「鮫だ、バカデカイ鮫だ」とわめく。そして、次に船に突っ込んできた。私はこの時、品物を見てしまった。違う、鮫なんかじゃない。魚体は真っ青、そして鼻が伸びているじゃないか!「カジキだよ、カジキ!ブルーマリンかな?」と私が言うと、スキッド船長が半信半疑で海面を覗いた。「本当だ!カジキだよ。でも胴が短いからメカジキだね」と叫んだ。全長2mくらいあるのか?とにかくデカイ。あんなのとれるのか?内心不安になった。

  カジキは海面をクルクル回り始めた。そして、私と岡田さんの仕掛けがグチャグチャになった。しばらくスキッド船長がファイトしたが、痛恨のラインブレイク!? (~_~) 残念↓↓ と思ったが、仕掛けが絡んでたのが運のツキ。なんと私と岡田さんの仕掛けに、切れた方の仕掛けがついていたのだ。

ファイト開始から1時間。ようやく弱ってきた魚体にモリを突く。やった〜 いい所に入った。船長と岡田さんとで前後にギャフをかけ、「せーの」で一気に船内に取り込んだ。
 

     
やった、とれた! スレ(ひっかかること)てるかと思ったが、ちゃんと食っていた。3人とも驚きを隠せない。取り込みまでできるなんて、思ってもなかったんだから、当然のことだ。帰りの船の中で3人とも同じことを何度も言って、何度も興奮した。


   大晦日のしかも最後の最後にこんな魚を釣るなんて、スキッドさん流石です。ビル(鼻)から測ったら2300mm、目方は50キログラムでした。
いい思い出になりました。スキッド船長、岡田さんありがとうございます。そしてお疲れ様でした。







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